2020年12月02日

「クリスマスの絵本」

「クリスマスの絵本」(スベン・オットー)
デンマークの画家スベン・オットーが自ら文章も手掛けたクリスマス絵本。

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百年か、それより、もっと昔のクリスマス・イブ.....

大通りにはたくさんの人の群れ、広場ではモミの木や野菜や果物が売られている。
裏通りには貧しい人々が通る。買い物をする人はわずか。

大広間にはストーブがもえてモミの木が飾られ、ロウソクが輝く。
子どもたちはその周りを輪になって踊り、家族のものはプレゼントを交わす。
召使いたちは見ているだけ。

台所ではここ二、三日、ケーキを焼いたり料理を作ったり。
かまどで焼いた大きな七面鳥...

田舎でも、仕事は早めに終わり、そろってテーブルを囲む。
雪の野原の上に星々が輝く。

クリスマスの朝も凍てついたままやってくる。
壁ぎわにふるえてすわり、小銭を乞う人...

教会に行ったあとは、新しい服を着て友だちをたずねあう。
裏通りの貧しい人には縁のないクリスマス。

金持ちの人はダンスパーティ。
たのしいたのしいクリスマス。

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天にまします、われらの父よ!
すべての人に富を。すべての人に愛を。

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最後の見開きページは、雪が降りしきる野原。


裕福な人々と貧しい人々のコントラストは、「マッチ売りの少女」のようで、あれはアンデルセンの時代のデンマークのリアルな現実から生まれた物語だったと知る。
あの北欧にもこんな時代があったのだ...

19世紀の北欧の階級社会は、古い映画「ペレ」を思い出す。
この絵本はあれほど悲惨な描き方ではないけれど。

ちなみに「ペレ」は、私が二度と観たくないと思う三つの悲惨な映画(※)のうちのひとつだ(>_<)
(※「ペレ」「嘆きの天使」「大人はわかってくれない」)

サンタクロースも奇跡も出てこない、100年かそれ以上前のクリスマスを描いた物語。

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〈ばらの実の灯り〉  https://fairyhillart.net

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posted by Sachiko at 22:11 | Comment(0) | 絵本
2020年11月29日

アドベント2020

今年のアドベントは今日11月29日から。
いつものように、アドベントキャンドルやアドベントの祭壇を用意して聖夜を待つ。

去年は大晦日に雪がないという前代未聞の事態だったけれど、今年は何とかホワイトクリスマスになりそうだ。
やはりアドベントの景色は真っ白がいい。

地球の季節の気分というものはいつも独特だ。
そしてアドベントの期間の“聖夜の気分”は、いっそう特別だ。
それはほんとうに、この時期にしか感じられない、地球を超えたところからやってくるものだ。

毎年、日本の年末年始は慌ただしくて...と言い訳がましくなるのだが、今年は特に、この時期を聖夜の気分で満たすことは地球にとって重要なのだと思う。

明日30日は、今年3度目の半影月食。
今年の星の位置は特別だと言われているとおり、冬至の頃には木星と土星がみずがめ座で重なる。

地球上の季節から、宇宙的な季節の廻りへ。その変容がますます明らかになってくる今年のアドベント。
  
posted by Sachiko at 22:11 | Comment(2) | クリスマス
2020年11月27日

「1993年のクリスマス」

「1993年のクリスマス」(文 レスリー・ブリカス / 絵 エロール・ル・カイン)

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この本の初版は、まだ1993年がほんの少し未来だった1987年。

・・・はじめのころは、サンタのしごとは楽しかった。
地球上の人の数は少なく、くらしは平和で、せかせかしていなくて、ちょっとのことで満足して、幸福というものをだいじにしていた。

時がたつと、世界は変わった。人間の望みは大きくなるばかり。
サンタのしごとはふえていった。
世界はばかげた規則でいっぱいになり、どこを通るにもたくさんの書類がひつようになった。

1993年、手つだいの小人たちがストライキを起こした。
きらいなおもちゃを作るのがいやになったんだ。
昔からのしきたりをだいじにし、古いものがすきな小人たち。
でも今はなんでもテクノロジーだ。

1993年のクリスマス。
地球には安全なところはないみたいだった。
サンタはハイジャックにあい、テロリストにばくだんを投げられ、麻薬密輸人だとうたがわれ、国家警察に、サンタであることをしょうめいしろといわれたり...

世界じゅう、まともじゃないようだ。
サンタはもう、世界いっしゅうはしないときめた。
クリスマスというものは、おろかでよくばりな人間とはかんけいないものにしなければ。

ほんとうのクリスマスはどうあるべきか、考えてみよう。
さもないと、1994年には、もうクリスマスはなくなってしまうぞ。


その1993年も昔になって、もうすぐ2020年のクリスマス。
世界はますますまともじゃない。

小人たちが好きだった、ほんとうのクリスマス。
静かでおごそかで、子どもたちは素朴なおもちゃに目を輝かせ、ちいさなものを分かちあって幸せになれたクリスマス。
なんだかとても懐かしい.....

ギラギラと明るすぎる光は闇を追い出し、小さな灯火は闇をも照らす。
闇は灯火にかしずくように変容する。
静かな冬の夜の小さな灯りは、ほんとうにあかるく暖かいことを思い出す。
  
posted by Sachiko at 21:40 | Comment(0) | 絵本
2020年11月24日

バラの眠り

今朝はうっすらと雪が積もっていた。
これくらいの雪は、すぐに融けてしまうだろう。
冬囲いを終えて、バラたちは眠りについた。

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これはリルケの墓碑銘になっているという、薔薇の詩。


  薔薇 おお 純粋な矛盾

  よろこびよ
      
  このようにおびただしい瞼の奥で

  なにびとの眠りでもないという            

           (富士川英郎訳)

この詩人はバラのトゲを刺して死んだと言われている。
(実際には、バラのトゲを刺したのが元で破傷風になったとか。)


枝が細目のバラはこうして囲っておくが、何年も経ってがっしりした大株になったものは、雪の重さにも耐えるので冬囲いをしなくても大丈夫だ。

今週の予報は雪だるまマークが並んでいるけれど、まだ根雪にはなりそうもない。
例年ならクリスマス市場が始まる季節、今年はそれも中止になった。

そんな騒ぎなどよりはるかに大きな自然界の法則のもと、バラは眠り、雪は降る。
来週からアドベント♪
  
posted by Sachiko at 22:24 | Comment(0) |