クローバーとは、ずいぶん地味な国花だと思っていたのだが....

シャムロックは必ずしもクローバーだけを指すのではなく、カタバミやオキザリスなど3枚の葉がついている植物の総称だそうだ.
それにしても、カタバミも雑草中の雑草扱いで、いずれにしても地味だ。

3枚の葉が大事なのは、アイルランドにキリスト教をもたらした聖パトリックがクローバーを例えに三位一体を説いたことから来ていると言われている。
日本では時々、シャムロックは四葉のクローバーを指すと思われていることもあるが、そうではない。
ただ、四つ葉のシャムロックという言い方はあり、四つ葉のシャムロックを身につけているとほんとうのことが見えるという話も、アイルランドにはある。
アイルランドに限らず周辺の妖精文化圏では、四つ葉のクローバーを頭にのせると妖精が見えるという言い伝えがある。(人が見ている場所ではあまりやらないほうがいいかもしれない...)
アイルランドには、キリスト教は伝わったものの、ケルトの残照が色濃く残った。
ケルト文様の中でもよく知られているトリスケルやトリケトラなど、ケルト文化では元々“3”が重要な意味を持っていたのだ。

そしてケルトの余韻は、男性的な西欧文化とは一線を画していると感じる。
イエイツの「ケルトの薄明」という著作があるように、ケルトは薄明の文化である。光か闇かの二極ではない、その“あいだ”にある薄明、言わば第三の位置だ。
それは二極を統合し包括する、むしろ東洋的、女性的なやさしい文化を思わせる。