2024年12月31日

Dream Song-7

 そこで私は邪悪な男に出会った
 最初に 小さな男の子が
 彼の腕に抱かれているのを見た
 彼は膝をついていた
 痛みの法廷で
 裁きが下される

 私が彼に近づいてみると
 彼のマントは鉛だった
 この世界で彼の魂は
 貪欲の苦い縄で縛られていた
 痛みの法廷で
 裁きが下される

 大勢の男たちが私に近づいてきた
 それぞれに燃える芝を持って
 神よ 彼らの魂に憐れみを
 彼らは森の中をさまよっていた
 苦しみの中で
 裁きが下される


今日はとりあえずこの詩だけです(^^ゞ
よいお年をお迎えください♪
 
posted by Sachiko at 17:41 | Comment(0) | クリスマス
2024年12月30日

Dream Song-6

 私はそこで この上ない輝きの
 神の聖母を見た
 「ブロックスヴァリンへの道
 裁きの場への道を行くように」
 ブロックスヴァリンで
 裁きが下される

 私は向こうの世界にいて
 幾多の夜を過ごした、
 どれほど恐ろしいことがあるかを
 天の神はよく知っておられる
 ブロックスヴァリンで
 裁きが下される


楽園の光を垣間見た後、さらに旅が進み、ここでまた最後の2行が変化する。ブロックスヴァリンは、いわゆる煉獄---魂が地上生での状態に応じた浄化を受ける領域だ。

人間が死後でなければ体験できない領域を、オラフ・アステソンは眠りの中で通過した。
煉獄などと恐ろしげに聞こえる魂の浄化の領域は、起こったことの取り返しがつくように調整してくれる宇宙秩序がはたらく場ではないのかと思う。痛みが傷のありかを知らせてくれるように。
 
posted by Sachiko at 21:14 | Comment(0) | クリスマス
2024年12月29日

Dream Song-5

 けれど私はジャラー橋を渡った
 古びて厳めしい橋を通り抜け
 悲しげな葦の繁る沼を踏み分けた
 そして今 私は自由で囚われていない
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた

 私は絶望の泥沼を通った
 私の道は決して地上にはなかった
 私はジャラーの階段を登った
 口の中に死の塵を感じながら
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた

 私は水の域にやって来た
 青い炎のように氷が燃えるところへ
 神は私の心に告げた
 遠くに目を向けそこを通り過ぎるように
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた

 私は冬の道を行き
 右手の脇を曲がった
 楽園がかすかに垣間見え
 光は大地を覆っていた
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた


忙しい年末に(無理に忙しくする必要もないのだけれど)、なぜか毎年12聖夜になると、突如ブログの毎日更新をはじめる(^^;。
そうして12聖夜を意識的に過ごすという、自分への課題を課すためでもあるのかと思う。

ともかくこのオラフ・アステソンの夢の歌は、何とかエピファニーまでたどり着けるようにしたい。
posted by Sachiko at 22:18 | Comment(0) | クリスマス
2024年12月28日

Dream Song-4

 私はジャラー橋にやって来た
 風が吹く高いところに吊られ
 梁はすべて黄金に輝き
 垂木は鋭い棘だらけ
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた

 大蛇が打ちかかり 犬は獰猛だ
 真ん中で牡牛が邪魔をする
 ジャラー橋の三匹の獣
 すべてが邪悪で怪物じみている
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた

 大蛇が打ちかかり 獰猛な犬が噛みつく
 牡牛が私に襲いかかる
 偽りの裁きで呪われた者は誰も
 ジャラーの高い橋を渡ることはできない
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた
      ・
      ・
      ・
「・・・そして、別の領域に導くジャラー橋に差しかかる。
この橋は、猟犬、大蛇、牡牛という三匹の獣によって護られている。
これは「北欧のスフィンクス」のようなもので、大蛇、猟犬、雄牛のそれぞれのスピリットである。
真実を尊ぶ偽りのない者だけが橋を渡ることができる。」
(『The twelve Holy Nights---Medhitations on The Dream Song of Olaf Asteson』より)

橋は境域で、異界の門には必ず守護する存在がいる。
どの民族の伝承でも、何らかのかたちでこのような描写が見られる。
古い時代、霊視者たちは同様の体験を、こうして詩や物語として伝えた。

それらはほんのかすかな残照のように、乾ききった現代にはたらきかける。
世界はほんとうはどんな姿をしているのか、人間は何者なのか...?十二聖夜の深みで、そっと語りかけてくるようだ。
 
posted by Sachiko at 22:54 | Comment(0) | クリスマス
2024年12月27日

Dream Song-3

 私は聖なる小川を渡り
 深い谷を通り抜けた
 地の底を流れる水音を聞いたが
 それを見ることはなかった
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた

 私の馬はいななかず
 犬も吠えることがなく
 鳥のさえずりも聞こえない
 そこかしこに驚異が満ちていた
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた

 はじめに感覚が消え去った
 私は茨の湿原を行き
 緋色のマントは引き裂かれ
 足の爪は傷を負った
 月は明るく輝き
 道は彼方まで続いていた
     ・
     ・
     ・

オラフ・アステソンの旅路は、人間が死の門をくぐった後の旅路のイメージだと言われる。
まだ、人間は肉体を持って地上に生きている時間がすべてだと信じられている時代だとしても(だいぶ風向きが変わってきた気がするけれど)、夢の歌をたどることは、意識の扉を叩くような何かをもたらすだろう。

魂が最も深みに降りるのにふさわしいのが、クリスマスイブとそれに続く12聖夜という特別な時空なのだった。

これは元々はもっと長い詩で、オラフ・アステソンが黄道12宮の星の世界を旅し、そこで見たビジョンと体験したことを描いたものだそうだ。
フルバージョンの原詩がどこかに残っているのか、未来におけるふさわしい時に開示されるようなことなのか、詩を取り巻く状況にも不思議な雰囲気がある。
 
posted by Sachiko at 22:36 | Comment(0) | クリスマス