このパンとリンゴについて、「メルヘンの世界観」(ヨハネス・W・シュナイダー著)では、それらは地上生活を通して内面にたくわえられた、人生の実りだと言われている。
しかもそれは、天上界よりもさらに高次の存在たちの糧として差し出される贈りものであるとされる。
地上で働き者だった娘は、かまどからパンを取り出し、木からリンゴを揺すり落として、高次元の糧を用意することができたのだ。
この働き者というのは別に、毎日何時間残業したかというような話ではないだろう。
シュタイナーは「愛を持って為すなら、すべての行為は倫理的である」と言っていて、逆に、仕事をするとき「仕事だからと割り切ってやる」というやり方が一番いけないのだ、とも言っている。
これは以前フィンドホーンの話で触れた、LOVE IN ACTION−「愛を持って為す」ということにもつながる。
地上に実る作物が人間の糧になるように、人間の魂の実りは、天使や高次存在にとっての糧になるのか....
人間が高次の世界に糧をもたらすことができなくなれば、地上もまた荒廃するだろう。
人間の使命は、この世の物質的な活動だけにあるのではなく、高次の世界にも関わっている。
メルヒェンを読むときに感じる独特の気分は、単に「おもしろいおはなし」を読むのとは違っている。
無意識のうちに、はるかな天上の世界から降りてくる響きを魂が捉えるからだろうと思う。
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たずさえてゆけるのは
その人の心に刻み込まれた
ものだけだろうと思うのです。
映像や文字などの
記録のためのツールが
なかったころの人々は
さぞたくさんのお土産を
もって向こうの世界へ
渡ったことでしょう。
自分の外側のどこかに保存して、自分のものにしたつもりになる。
シュタイナーの時代には図書館のことを指していたそうですが、
今は個人がスマホとかHDに膨大な情報を保存している...
でも、体験したことだけが自分の真実になるというのは、
そのとおりですね。