「たのしいムーミン一家」より。
ムーミンパパが願いを叶えてもらう番になったが、これ!という願いが思い浮かばない。パパも、特に渇望するものがないほど満たされているのだ。
そこでママが、
「あなたの自伝をとじる、すてきなつづりこみにしたら。」
と提案し、パパはすばらしいつづりこみをもらった。
スノークのおじょうさんは、海岸で拾った木の女王さま(船首飾りの像)のような美しい目にしてほしいと頼んだのだが、これはばかな願いだった。
結局スノーク兄がそれを取り消し、元の小さなかわいい目に戻してもらうことになった。。
飛行おにはこうしてみんなの願いを次々に叶えていき、そのときムーミン家にいた人たちの中で、トフスランとビフスランが最後に残った。
ビフスランが聞いた。
「あなたは、じぶんでじぶんののぞみをかなえることはできないの?」
「それはできんのじゃ。わしはただ、ほかのものののぞみをかなえてやるのと、じぶんのすがたをかえるのができるだけなんだ。」
他の人の望みを叶えるのは簡単なのに、魔法使い本人が何よりも一番欲しいものが、自分の魔法では手に入らない。
トフスランとビフスランは長いあいだ相談したあと、、飛行おにの代わりに、ルビーの王さまと同じくらいきれいなルビーを出してくれるように願った。
トフスランとビフスランはすでにルビーの王さまを持っているのだから、彼らも満たされている。この奇妙なふたりが自分たちの番になった時に、飛行おにのために願うことを思いついた。
この場面は、その方法があったか!と意表を突かれたような感じがした。
飛行おにが喜びにあふれてマントを振ると、ルビーの王さまと双子のような『ルビーの女王』が現われた。
すっかり機嫌よくなった飛行おには、集まってきたほかのみんなにも願いを叶えてやった。ふたたびお祝いがはじまり、夜明け前に飛行おには、世界のはてに飛んでいった。
飛行おには、たぶんこの巻にしか登場しなかったのではないかと思う。
望むものが他の人を通してでなければ手に入らないというのは、なんだかとても深い真実のようだ。
2025年04月17日
続・“飛行おに”の魔法
posted by Sachiko at 22:31
| Comment(2)
| ムーミン谷
自分ひとりでは なくて
他の人を通さなければ
願いは 叶わないなんて
いろんな意味で
ほんとだなあ・・
と文章を読んで思いました
エゴが強いほど願いが叶いやすいことになりますが、
そうではなくて、他の人から願ってもらうことができるひとが
望むものを得られる....
ほんとに、この話はジワリと深いな、と思います