「これこそ東山魁夷の色だ」と感じるくらい、その青緑からは深い印象を受ける。

このような風景画は、実在する風景だけれどいわゆる写生ではなく、一度深く内面に落とし込んで“心象”となり、ふたたび浮かび上った景色だ。
個人の魂の深奥に深く深く降りて行くと、やがて個的でありながら普遍と言える場所にたどり着く。
人々が、それぞれの内なる道を通ったのちにその普遍に立ち、この場所を知っている、と感じられる源...

夜明け前の薄明の中、それまで色のない影のように見えた木々に、しだいに色が戻って来るときの青緑。
もちろん薄明時にだけスケッチしていたわけではないだろうけど、そのように見える、不思議な青緑...

時々ふと深く帰りたくなる場所なのだった。
画像:東山魁夷全集4「北欧の旅」、東山魁夷全集6「ドイツ・オーストリアの旅」(講談社)、「白い馬の見える風景」(新潮社)より
目の前で見たとき
吸い込まれそうになったのを
今でも覚えています。
きれいな自然の景色を見ると
東山魁夷っぽいなあ
と時々思います
本当に、吸い込まれそうな絵で、
いつまでもそこにいて
観ていたいと思いました。